美術館は、人気な美術館とそうでもない美術館にふんわり二分されているように感じます。
人気な美術館の企画は大規模なことが多く、チケット売り場で行列ができる程。
コロナ禍で日時指定のチケットを購入していた頃も、軒並み枠が埋まっていてガッカリしたことが多々ありました。
ですが、静かな場所でのんびり芸術作品が見たい!という際には、敢えて人気ではない美術館を選ぶのも狙い目です。
人気ではない、からといって展示作品のクオリティが低いという訳ではないのです。
代表例として、勝手に心の中で命名しているのですが「土地の美術館」、いわゆる道府県立・市町村立美術館系がとってもお勧めなので併せて紹介していこうと思います。
私が実際に訪れたことのある美術館の中から、具体的な美術館名もご紹介します!
「土地の美術館」に行く楽しさ その1「混んでない」
まず空いてること!これが人混みがとってもとっても苦手な私にとっては本当に嬉しい。
ここでちょっとしたエピソード紹介をば。
仕事で大分県へ出張した際、早く切り上げることができたので大分県立美術館を訪れました。
因みにサムネ画像は出張時に訪れた大分別府の風景です。別府湾が美しくて大好きです!
大分県立美術館はなんといつでも19時まで開館しています!
美術館はだいたい17時までで閉まってしまうので、こんなに遅くまで開いててくれるのは平日働いている身にとっては嬉しい!
しかもめっちゃくちゃ綺麗なんですよね。
https://www.opam.jp/page/concept.html
このリンク先下側の動画が美術館の紹介動画となっているのですが、まずめっちゃくちゃ素晴らしい動画ですね…!!
そして美術館の美しさも伝わると思います、外の螺旋階段も珍しくて美しくて意味もなく降りたりしました。笑
こんな素敵な美術館なのですが、時間もあったのか(私が行ったのは平日の17時くらい)、人がいなかった…
そして常設展は本当に誰もいなかった…
初めて来た美術館でキョロキョロしていた私に、入り口にいた警備員さんが企画展へ案内しようとしてくれましたが、常設展のチケット売り場はどこですか?と聞いたら怪訝な顔で教えてくれました。
企画展に比べて常設展は宣伝も少なく、ひっそりとしているイメージです。
私個人としては「この空間独り占めじゃんぐふふ…」とニヤニヤしながらチケットを購入し展示室に入りました。
各展示室には監視員さんという、展示作品や展示環境を維持管理してくださっている職員さんがいらっしゃるのですが、入る展示室入る展示室全てでこの方々とたった1人でご対面していたのです。
もちろん目が合ったり気まずい会釈を取り交わす訳ではないのですが、私が作品に近づき過ぎて作品に傷をつけたりしないかなど、作品を守るために私を見守っています。
相手はプロフェッショナル。ずっと凝視されてはいないけれども視線は感じるのです。
そして展示室が変わる度に新しい監視員さんと出会う。
これはもう、常に1 on 1してるんじゃね…??
仕事の疲れと初めて訪れた美術館に対する興奮でアホ度が急上昇している私は思ってしまったのです。
何も勝負してません。ただお仕事してくださっているだけです。。。
大丈夫ですよー適切な距離感保ってますー気をつけてますーと心の中で監視員さんに語りかけつつ、また監視員さんのプロフェッショナルぶりに感動しつつ、ちゃっかり作品を心から楽しんできました。
私が常設展の規模で無人状態を満喫した経験はこれだけなのですが、展示作品全部を独り占めして心ゆくまで鑑賞できて病みつきになってしまった体験でした。
展示内容や訪問日時によってはどのような規模の展覧会でも無人の展示室があることはそこそこあり、無人状態で監視員さんの視線が気になることもあるかもしれませんが、変なことをしない限りはそっとしておいてもらえるので大丈夫ですよ!
周りの人を気にする必要がない中でじっくりと作品鑑賞ができることは、その分好きな作品の記憶や思い出が残りますし私は大好きです。これは土地の美術館ならではの楽しみだと思います。
「土地の美術館」に行く楽しさ その2「地域を知ることができる」
次は先程の大分県立美術館、石川県立美術館、町立湯河原美術館を例にご紹介したいと思います。
これらはその名の通り地元の美術館なので、地域に根ざした運営をしています。
そのため、地元の工芸品、地元出身の画家の作品、名所を題材にした作品が多いです。
人気だったり有名な美術館のように有名な作家さんの作品が多い訳ではないですが、
地域の美しさや歴史を美術作品を通して知ることができて何とも豊かな気持ちになることができます。
大分県立美術館では、県が竹細工で有名なこともあり素敵な竹細工の作品がたっくさんありました!しかも古い時代の竹細工作品もたくさんあり、見応え抜群でした。
また、大分出身画家による大分の風景画も多く、昭和からの変遷も同時に知ることができ癒されつつも学びがありました。
申し訳ないことに作者名と作品名を控え忘れてしまったのですが、田園から山を見上げるような構図の絵がとっても素敵で今も覚えています。しばらく立ち止まって、自分が絵の中にいるような気持ちで眺めていました。
石川県立美術館では、石川県出身作家の作品がとても多かったです。
石川県は工芸が盛んなので、絵画だけでなく工芸作品もたくさんあり豪華でした!
https://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/collection/index.php?app=shiryo&mode=search_genre
こちらは収蔵作品のジャンルごとの検索リストですが、
こんなにジャンルがあるんだぁというのが伝わるんじゃないかと思います。
金沢21世紀美術館の近くにあるのですが、こちらは森の中にひっそり佇んでいる雰囲気も最高でした。
またこちらも空いてる…金沢の人の多さに揉まれた後の癒しのオアシスでした!!
私は行っていないのですが、カフェの雰囲気も素敵だったように記憶しているのでまた行きたい…
町立湯河原美術館では、湯河原にゆかりのある画家たちの作品が展示されています。
有名画家では竹内栖鳳の絵もあり日本画好きにはおぉ!となる作品もありますが、1番画期的だと思うのは日本画家の平松礼二さんのアトリエがあるということです!
アトリエの再現ではなく本当に使われているアトリエで、平松さんがいらっしゃる時の様子を美術館の職員の方が丁寧に教えてくれました。職員の方の解説もめっちゃ丁寧で詳しくて嬉しかったです。
https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/soshiki/31/1482.html
こちらがアトリエの紹介ページです。絵とか絵の具とか、私が見学した時もまさしくこんな感じでした。
日本でも海外でもアトリエの再現は割とよく見ることができますが、ご本人が使用しているアトリエに実際にお邪魔して見学できることがあるなんて、個人的にはテンション爆上げでした。
まとめ 「土地の美術館」は楽しい
作品鑑賞に集中できる環境が整っているのは、圧倒的に「土地の美術館」だと思います。
有名美術館には有名作品が集まりやすく人生一度は見てみたい!というような作品が多数展示されますが、これが見たい!という理由は特になく美術館でのんびり作品鑑賞がしたいなぁと思っている時には全力でお勧めです。
また、旅行先での観光や出張の空き時間などで訪れるのも個人的には大好きです。「土地の美術館」ということで、その土地のことを作品を通じて知ることができるとは一石二鳥どころじゃない…とトキメキが止まらないです。行けなかった場所の風景や雰囲気を知って楽しむことができたり、直接見に行くことが難しい工芸品がずらりと並んでいる様も圧巻です。
また、今回は行ったことのある美術館からご紹介させていただきましたが、日本全国には色んな美術館があるので、また違う魅力を備えた美術館もたくさんあると思います。これからも、色んな美術館に行ってみたいと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました!
くまふくでした🐻
コメント