2月に読んだ書籍

月ごと日記

2月は活字ブームが自分の中に去来し、比較的たくさんの書籍を読みました。
普段は月ごと日記にまとめているものを今回は書籍だけで独立させてみます。
来月以降も、ネタが豊富であれば独立させてみようと思っていたりします。

深夜特急(合本版)、移動祝祭日

この2冊は去年から読み続けて遂に読み終わった2冊。

深夜特急は、ずっと読みたいなと思っていたのを意を決して読み始めた本だった。
なにせ、全て読もうとするとめっちゃくちゃ長い。だって日本からロンドンまで電車を使わないで旅する本なんだからあっさり終わる訳がなかった。
それをよく分からずぼんやり読みたいなと思って実際読めるから本は面白い。

電子で合本版を買ったのも良くて、ふと思った時にその場で読めてシームレスに次巻へ進めるから進みたいように読み進められた。
感想書けって言われてもなってくらい長い。でも読めてしまう。先が気になってしまう。
リアルタイムな紀行記かと思いきや、旅から帰ってきて何年も経ってから書いた本だったり、ある章で印象的だった人物が巻末のおまけについている対談に登場したり、展開もそうだし何だか幾重にも予想外なことがちりばめられていた。
色んな見方感じ方をする気がないのにしてしまう、もはやミステリーを読んでいる気持ちになった。

移動祝祭日は文庫本1冊分なのでそんなに長くないはずだけど、深夜特急並みに長かったように感じた。そして旅をしているような気持ちになる本だった。

多分、私が日本で生まれ育った日本人で唯一行ったことのある海外がフランス(主にパリ)という記憶と地理的な距離。本作は1920年代のパリが舞台だから、時代的な距離感が旅をしているような気持ちにさせたんだと思う。
あと、ヘミングウェイ自身が本作でパリだけじゃなくて色んな場所を旅している。
しかも描写力がすごくて、行ったことない場所なのに情景も香りも空気感もぶわっと立ち上がってくる。すごすぎる。
私でも知っているパリの文化人たちとの交流を、なかなかこう独断と偏見で切っては捨て、みたいな感じなのと、奥さんは後にヘミングウェイの不倫が原因で別れてるクセに随分いい感じに書くではないか、とか思ってしまうことも多々あったけれど、風景描写は抜群に好きだった。
あとやっぱりパリは移動祝祭日だった。

あしたから出版社

ずっと読みたくて気になっていた本だった。
ちょくちょく通っていた本屋のちょくちょく覗いていた棚にそっといるのをある日突然見つけた。いつからそこにいたの!?ずっと探してたのに!!!という奇跡的な出会い方をした本。

なんていうか、若い頃の島田さんが文学過ぎてびっくりした。
文学に啓かれて読んでいる自分に恍惚としていたり、本命の女性には恋人がいるから他の女性へ下手すぎるアプローチをして結局振られたり。
平成でも文学できたんだ、と驚愕した。
でも、私だって初めて太宰治を読んだ時に「遂に読んでしまったよ…」と浸ったりしたし、別に誰のことも傷付けてないし何だかいっそ微笑ましいし、1人で出版社を立ち上げちゃうくらいの熱い男!って感じじゃなかったことに少し安心すらした。

でも話の本題は全くそこじゃない。
島田さんが夏葉社という出版社を立ち上げるに至った経緯、立ち上げてから実際に本が出るまで、数々の本が形になっていくエピソードがメインだ。
こんな熱い思いがあるのに、何をどう届けるかとか、どう気持ちに寄り添うかとか、とても冷静でいい意味で人と交わり過ぎないところに誠意を感じた。これが本を届ける職人なのか。

人の悲しみや、そもそも人の気持ちが分かるかどうか、についての持論が、私の思っていることに言葉を与えてくれる人がいる!とすごく感動した。
私も感じた同じ思い(ひょっとしたら大きく読み違えている可能性もあるけど)に言葉を与えてくれて大切に扱ってくれる人のことは無条件に尊敬してしまう。

ネタバレというか、あんまり詳しくここで書いてしまうのは勿体ないような気がするから書かない。

この本は読んでよかったと思った。
読後に読んでよかったな!と思う本はすごく少ない。その稀有な本のひとつになった。
夏葉社の本買おう、と決心して本屋さんを徘徊して見つけたのが次の一冊。

さよならのあとで

島田さんが夏葉社を立ち上げる目的となった本。
この本を作り、ある人に届けたいという膨大なエネルギー源となった詩を収めた一冊。

作者は100年前のイギリスの神学者。子を喪ったある父親が詩を見つけ、訳したものが伝わってきたものだそうだ。

この本は、もはや怖いと思った。
私も大切な誰かを喪ってこの本を手に取り涙する日が来るかもしれない、そう思うとものすごく怖い。

けど、それくらい心の深いところまで染み入ってくる本だった。
でももう目の前に来てくれない、面と向かって話すことの叶わない相手からそう言われていると思ったら、私は受け入れられるのかな。
それでも時間をかけて受け入れていくしかないんだろうけど。

まだ多分来ないその日に怯えすぎて備えるように買ってしまった本で、動悸息切れめまいを起こしかけそっと本棚にしまった。

鬱の本

この本は、一冊で独立したブログを書きました。↓
鬱の本が興味深かった話
https://kumafukublog.com/20240225-book/?preview_id=285&preview_nonce=a505214b98&preview=true&_thumbnail_id=300

面白かったけど、面白いだけじゃないって初めての体験でした。
これだから本を読むのはやめられない。

スペースカーガールズ 1巻

ここからは漫画。
これは久々のヒット。新しい面白いマンガ出会っちゃった!と小躍りする的な感じだった。

主人公は、マンガ家の大類葉月と仕事を辞めて地元に戻ってきた井出穂ノ香の幼なじみな2人。
色んなところにお出かけがしたいけれどお金がちょっと…で思いついたのがで車中泊。という感じで、2人の住む山形からゆるーく出てったり東北の色んなところに車中泊しながら出かけるマンガ。
雰囲気もゆるいし、気合いの入りすぎない車中泊をマイペースに楽しむ感じが程よくゆるくて好き。

第一印象は、え?女性だけとか危なくね?だったけど、道具はこれくらい揃ってれば実現可能なのかーとか安全的なことはこれくらいのことすればクリアなのかーとかしっかり描かれていて、大変参考になった。
作者の庄司先生が実際に行って体験していることがXを見て判明し、作品の雰囲気はゆるくて好きだけど、しっかり検証されているところも好きーとなった。

お出かけ先の名物がどれも美味しそうなのと、穂ノ香がこれまた美味しそうに食べるのがたまらん。いっぱい食べる君が好き!

次巻もとっても楽しみ。
ペーパードライバーだけど夢と妄想がものっすごく膨らむ。

ワカコ酒 22巻

くまふくの大好きな漫画たちの内の一冊で、最新巻が出たので早速購入した。
22巻も美味しそうだったなぁ。もはや美味しかった。

オノマトペのセンスとコマの余白のセンスが大好き。
定番の美味しいおつまみも初めて知った興味をそそるお料理も、そうそうそれだわ!というような抜群な組み合わせのお酒が引き立てる、ワカコ「酒」だけどお料理がメインなところも大好き。

呑兵衛の漫画だけど、私のようないやしんぼをも虜にするからすごい。
トマトのキムチ食べてみたい。
もつ鍋とガーリックシュリンプも食べたい。うわああ…

面白い!好き!大切に持っていたい!と思える色んな書籍に出会えて充実の2月でした。
またこれぞ!というものがあったら紹介していきます。
くまふくでした🐻

コメント

タイトルとURLをコピーしました